ゲストご家族の体験談①
家族レスパイトに参加して
26才になる私の長男は脳性麻痺です。今まで障害があっても、なるべく健常な子どもと同じようにしてあげたいと思ってきました。まだ身体が小さかった頃には買い物も外食も旅行も同じようにできました。でも地区通学はできませんでした。往復で1時間かけての養護学校への入学となり、20年前はまだ「医療的ケアがあれば訪問教育で」と言われていた時代です。訪問教育とは先生が家庭に訪問して2時間授業をするというものです。週2回の訪問授業と週1回のスクーリングでした。スクーリングとは訪問籍の子ども達が学校に通学することですが、1日中親は子どもに付き添って医療的ケアをすることが原則でした。12年間長男と共にスクーリングをしてきました。スクーリングでは、学校にはお友達がいて先生がいて色んな音や色があって楽しいことがたくさんあって、車椅子を押して走ったり、散歩したり、先生に抱っこして運動してもらったりを体験しました。
そしてなにより、居心地がよいと感じられたのは、養護学校では「障害のあるこどもが普通だった」からだと思います。
あっという間に12年間が過ぎ去り…スクーリングしていた時には、散歩も遠足も運動会も社会見学も修学旅行も、学校だったから先生方が支えてくださっていたから安心して参加ができていました。それが卒業したと同時に行事参加はなくなりました。「学校に守られていた」のだということに初めて気づいた時にとても寂しく感じたことを思い出します。
卒業後はケアと家事に追われて身体も大きくなって、私が一人で抱えきれなくなり、散歩にも連れ出すことができず、デイサービス以外は家に篭っていました。
そんな時に「ほっとくらぶ」と出会いました。「ほっとくらぶ」も学校に似たところがあります。それは障がいがある子どもでも「普通」でいられるところです。障がいがあってもなくても大人でも子どもでも「居場所」があり「役割」があります。
ありのままの自分でいられるそんな時間と空間を作ってくれます。そしてそのための支援を惜しまない仲間たちが支えてくれています。
「日帰り温泉で湯治」に誘われて参加しました。日頃は家事や度々やって来る孫たちに振り回されてついつい我慢強い長男に「ちょっと待っていてね」と言うことが多くなっていたことに気づき「長男にだけ関わってやれる時間を作りたい」と思って参加しました。同じように考えて参加されたご家族も何組かありました。
キャンプでバーベキューや流しそうめんを楽しんだ後に子どもたちは温泉に入れていただけて、肌もつるつるしてポカポカ、親たちもおしゃべりに花が咲きました。夕食は地元の方が調理してくださった心のこもった料理を皆で美味しく食べて、もちろんミキサー食も同じものをいただくことができて子ども達も満足でした。
こんな風に一緒に出掛けたのは何年ぶりでしょうか、「ほっとくらぶ」の支援で安心して日帰り温泉を楽しむことができました。
学校を卒業すると家に篭りがちになってしまいやすいのですが、「ほっとくらぶ」の皆さんが子どもたちを看てくださるので、親たちも仲間として参加することができて久しぶりに心から笑ったように感じました。これからも多くの子ども達が参加できるようにと願っています。