コロナ禍後、初の「富士見高原日帰りキャンプ」を開催しました!
5月21日(土)に約3年ぶりとなる「富士見高原日帰りキャンプ」を実施しました。富士見高原リゾート様の協力のもと、自動運転の「天空のカート」に乗車し、標高約1,400mの高原上部にある「創造の森」に登る人気の企画です。
新型コロナの終息が見通せない中、多くの人が孤立感や閉塞感を感じる状況が続いています。私たちの大切な仲間である医療的ケア児(者)と、そのご家族も同様です。一方でワクチンの接種が進み、感染を避けられる方法が明確になってきました。
そこで「ほっとくらぶ」は、富士見高原リゾート様の協力を得ながら、日帰りキャンプ実施の検討を開始しました。企画段階で最も配慮したのが、新型コロナの感染防止策です。今回は全参加者が事前に検査(抗原検査またはPCR検査)を実施したほか、ワクチン接種歴や体調などを記す「新型コロナ感染対策に関する体調確認アンケート」を用意するとともに、当日は検温も実施しました。その他、室内会場(八峯苑 鹿の湯の大広間)は貸し切りとし、換気・消毒を徹底するなど、感染防止に努めました。
さまざまな準備を経て迎えた当日は、朝からどしゃ降りの雨になってしまいましたが、医療的ケア児(者)6家族と、ボランティア、スタッフ合計34人が参加しました。
強い雨だと「天空のカート」で高原上に上がることは難しそうです。外に準備されたテント施設が雨にぬれるのを見つめながら、「ほっとくらぶ」伝説を信じて、天気の回復を待つことにしました。その伝説とは、たとえ台風接近時でも、必ず雨が上がるということです。
そこで、まずは「八峯苑」の大広間で積み木やおもちゃで遊びながらゆったりと過ごし、雨が止むのを待つことにしました。久しぶりに会う医療的ケア児(者)のご家族同志や、医療者が談笑する時間になったほか、子どもたちも学生ボランティア(なんと特別支援学校の先生を目指す方々でした)と楽しく遊ぶことができました。
やや早めの昼食は、感染防止対策としてお弁当を各自でいただく形にしました。八峯苑様が用意してくれたお弁当は、味、ボリュームともに大好評でした。「寒いから」とお味噌汁をサービスしてくださったことにも感激しました。一方、ミキサー食が必要な医療的ケア児(者)のためのミキサー食はスペシャルメニューとなりました。ゲストの名前や食品名、アレルギー物質の有無などが記されていたので、「家族が家でもできないような細やかな心遣いが嬉しい」と、こちらも大好評でした。
ゆっくりと食事を楽しんでいるうちに、ほっとくらぶ伝説どおりに雨が上がりました。「天空のカート」への乗車希望者を募ったところ、外気温が低いにもかかわらず、全員が希望。その後、一斉に「天空のカート」に乗車し、高原上を目指しました。
今回は身長170cm超で、普段は寝台型車いすを使う方も参加したのですが、富士見高原リゾートの皆さんは手慣れたものです。大型のソリを利用した座席を用意してくれたので、不安なく乗車することができました。
高原上部の「創造の森」は、霧に包まれていて展望が開けなかったのが残念ですが、色鮮やかな新緑を鑑賞しながらの往復約50分のドライブが楽しめました。
また、備え付けのヒッポという車いすへの試乗体験や、高原の散歩も楽しめました。さらに急遽張ってくださったハンモックに揺られたり、野外に置かれた大きなストーブで暖を取ったりと、思い思いの方法で高原の空気を味わいました。
こうして約3年ぶりの「富士見高原日帰りキャンプ」は無事に終了しました。参加者からは、「天気は悪かったけど、お兄さんやお姉さんがきょうだいたちと遊んでくれて楽しかった」「サポートが多くあって安心して過ごせた」「感染対策が万全で楽しく過ごせた」「天気の良い時にまた来たい」といった声を聞くことができました。
今後は今回の経験を生かしながら、第2弾や、筑北村での日帰りキャンプ、海への宿泊旅行なども企画していきたいと考えています。
なお、このイベント参加がきっかけになり、新型コロナウイルスに感染した方はいらっしゃいませんでした。